初日 8月4日(日)

  東京駅から秋田新幹線のスーパーこまち7号に乗り、角館に着いた。総勢7名、昨年の夏山は
  参加が皆無だったが、今年は女性の参加が3名もあり華やかだ。
  駅前で昼食を取っていたらぐらっと揺れ。東北で比較的大きな地震があったとのこと。
  食事を終えて秋田縦貫鉄道に乗り込んだ。1両の可愛いジーゼル車だ。

夏山登山−森吉山(1,454m)

                 平成25年8月4日(日)〜6日(火)

                                         吉村 悟 (3回)


   私たちが学生だったころ『山で唄う歌』という小さな歌集が出版され、山好きの若者たち
  のベストセラーになったことをご記憶の方も多いでしょう。その歌集の見開きに、その頃
  私が書きとめた一文をご紹介します。

 

  想い出を残して歩け。

  すべての場所について一つびとつの回想を持つがいい。

  それは他人から奪い取ることなしに、

  お前が富む唯一の方法なのだ。

                尾崎喜八『山の詩帳』より
 

小泉さん、たくさんの想い出をありがとうござました。


  

山頂にて2

避難小屋に残してきた2人が気になるので、早々に下山を開始した。無事に避難小屋の二人と
合流し、皆で昼ご飯を食べた。なんといってもこの時間が一番楽しい。昔のことを止めどなく
話し、帰途についた。

また石森に戻り森吉山を振り返った。ややガスが出ているが、眺めは良い。花も咲き乱れ、こ
の世の楽園だ。

山頂にて1

石森近辺

行程  8月4日() 東京(秋田新幹線)角館(秋田縦貫鉄道)阿仁マタギ−
           (ホテルの車)−安の滝−(ホテルの車)
ホテル(泊)
     8月5日(月) ホテル−山麓駅−(阿仁ゴンドラ)−山頂駅−石森−森吉山−石森
           (阿仁ゴンドラ)ー ホテル()

    8月6日(火) ホテル−(ホテルの車)−太平湖桟橋−(遊覧船)−小又峡桟橋−
           三段の滝−小又峡桟橋−(遊覧船)−太平湖桟橋−(ホテルの車)−
           阿仁前田−(ホテルの車)−阿仁根子−(ホテルの車)−棚田−
           (ホテルの車)−
阿仁マタギ(秋田縦貫鉄道)角館−(秋田新幹線)


参加  男性)伊藤、高廣、吉村、森
    女性)平林、重澤、大窪

2012年4月16日(月)

石老山にて

三段滝

小泉繁久さんを偲ぶ
                                                  大窪 和子

  2日目の晩は図らずも、6月24日に旅先で急逝された山の友、小泉繁久さんを偲ぶ会に
  なりました。亡くなる半月前10人で登った群馬県の「尼ヶ禿山」で小泉さんはまことに
  元気でした。いつものようにパーティーの最後尾をしっかり守って歩いてくれたのです。


  あの小泉さんが何故?という吹っ切れない悲しみが仲間の心を満たしています。
  
  小泉さんは歌うことが大好きな人で、緑友ハーモニーのメンバーでもありました。山を歩
  きながら小泉さんの歌声に誘われて、私たちは良く唄ったものです。その時の歌がいつの
  間にか口をついて唄い出されました。「雪山賛歌」「アルプス一万尺」「エーデルワイス」
   「遥かな友へ」、山の歌だけではなく民謡や童謡、子守唄まで。唄いながら小泉さんを偲び、追悼す
   るひととき、まるで小泉さんの歌声が一緒に聞こえてくるような気がしました。

化の堰

  思ったほど谷は滑らないが、それでも苔が生えている所などは危ない。慎重に谷を登る。途中化の
  堰という谷が狭い所があった。それを過ぎてやっと三段滝に到着した。これで夏山の全日程は終了
  した。天気予報にも拘わらず、ほとんど雨や雷に会わなかったことを、みなで感謝した。
 

ゴンドラの運転開始は9時からだが、我々が入り口で待っていたら、少し早めに乗せてくれた。
山頂駅までゴンドラで約20分、いよいよ歩き出した。いきなり急な登りなので、ゆっくり歩く。
1時間程で勾配が緩やかになり、石森と言うところに着いた。

ニッコウキスゲが我々を歓迎してくれる。花の百名山といわれる森吉山に来た甲斐があった。

  秋田縦貫鉄道に乗り小一時間、阿仁マタギ駅に着いた。ホテルの車が迎えに来てくれてい
  る。早速皆で乗り込んで出発、打当温泉を横目に見て、中の又渓谷に向かった。道は先日
  来の雨で傷んでいて、応急補修のため所々鉄板が敷いてあり、その下は抉れて崖となって
  いる。慎重に危険個所を通過し、駐車場で車を降り、徒歩で安の滝を目指した。車の運転
  手さんが道案内をしてくれた。
  45分くらい谷間を縫うように登り、やっと目的の滝に到着した。谷合は湿度が高く汗が
  吹き出でる。30M位高さのある安の滝は雨で水量が増していて、大変壮観だった。ゆっく
  り滝見物をした後再び車に乗り、今夜の宿である阿仁の森ぶなホテルへ向かった。

小又峡桟橋と遊覧船

小又峡

山百合


  ゴンドラの山頂駅にたどり着く頃、雷の音がし出して雲行きが怪しい。ゴンドラを降りたら雨が
  降ってきた。ホテルまでの少しの間雨に降られたが、山では会わず大変幸運だった。

  ホテルに着いてお風呂に入り夕食となった。お酒は1時間飲み放題で宿賃に含まれている。
  気持ちよくお酒を頂き、部屋に帰った。寝るのは早いと言うので皆で一室に集まり、小泉を偲
  んで山の歌を合唱した。

第3日目 8月6日(火)
  相変わらず天気予報は曇り時々雨、時々雷だが、朝は薄日が差している。朝食を済ませ、ホ
  テルの車に乗って太平湖へ向かう。途中阿仁合駅で朝帰る人を1名降ろした。太平湖桟橋で
  車から遊覧船に乗り換え、太平湖を横断して小又峡桟橋に向かう。太平湖は人造の湖だが、
  周りを木々に囲まれ、大変静かだ。

  小又峡桟橋から目指す三段滝までは45分とのこと。小又峡を遡って行く。

森吉山

雲間の下界

少し休んでさらに登ると今度は綺麗な池塘があった。尾根に近いのによく水が溜まっているものだ
と感心しながら、なお進む。間もなく阿仁避難小屋が見えてきた。小屋に着く前にクマよけの鐘を
ならす。

避難小屋は3階建ての頑丈な造りで、食糧さへ有れば1年は暮らせる。前夜良く眠らなかった女性
メンバー2名がここで待っているというので、残りの4名で頂上を目指す。天気は曇りだが、時々雲
が上がり、下が見渡せる。当分雨の心配はない。避難小屋から1時間、大体予定通り頂上に到着
した。時々雲が切れ下界も見渡せる。

池塘

ホテル前で整列!

二日目 8月5日(月)
  前の日のテレビの天気予報で「曇り時々雨、所によっては雷」と穏やかならざる予報を
  聞いたので、朝起きて恐る恐る窓の外を見たら薄日が漏れていた。これは嬉しいと朝食
  もそこそこに登山の支度をして、ホテルのご主人の運転する車でゴンドラに向かった。

安の滝

秋田縦貫鉄道