吾妻連峰と安達太良山

                            8月5日(日)〜7日(火)

                                                           吉村 悟 (3回) 
              

  安達太良山頂にて




一日目

新幹線を郡山で降り、男性4名で久しぶりに磐越西線に乗る。車窓から見る緑が鮮やかだ。列車は磐梯山を大きく回り、
小一時間で会津若松に着いた。そこで電車からディーゼルカーに乗り換え、喜多方に向かう。

喜多方駅前でレンタカーを借り、小泉君の運転でラーメン屋に向かう。喜多方には何軒も有名なラーメン屋があるが、昼時とあって
店前に行列が出来ている所が多い。小泉君が推奨する1軒の店に入ってラーメンを注文した。喜多方ラーメンは太麺が多いと聞い
ていたが、それほど太くなく安心した。太麺は苦手である。

美味しいラーメンを食べた後、暑かったが喜多方市内を散歩した。ある酒造会社にフラっと入ったら「これから団体さんの工場見学
が始まりますが、ご一緒に如何ですか?」と店員さんに誘われた。日本酒の仕込みは冬が時期だそうで、現在は工場内はがらんと
していた。しかし店員さんが熱心にいろいろ説明してくれ、面白かった。最近はお酒の蒸留行程で音楽を流すそうで、これは牧場で
牛に聞かせるとミルクをたくさん出すということから、社長さんが提案されたとのことである。

最初は演歌やJポップスを聞かせていたそうだが効果が上がらず、モーツアルトにしたところ発酵が大幅に良くなったとのことである。
学術的にはまだ因果関係が解明されていないそうだが「日本酒とモーツアルトねー」と笑った。

とにかく暑いので喜多方の散歩を早めに切り上げ、再度車に乗って雄国沼を目指した。ペアピンカーブを登ると展望台に着き、眼下
が大きく開け雄国沼が見えた。

  雄国沼を見下ろす



折角だから水辺まで降りようということになって20分ほど階段状の道を下った。沼の周辺には木道が敷いてあり、15分ほどの散歩が
楽しめるようになっている。暑いけれど何と言っても都会と違って空気が良い。暫く散歩して元の道を引き返し、また車に乗った。

今度は檜原湖、五色沼に向かうわけだが、喜多方まで戻るのも時間のロスだということになって、林道を走り始めた。所がその道がひ
どい悪路でほとんど手入れがされていない。もちろん舗装もなく砂利の道である。道の真ん中は1M位草が生えているし、周囲の木の枝
も伸び放題となっていて車にぶつかる。対向車が1台もいない道を30分くらい悪戦苦闘して、やっと桧原湖畔に出た。

道の駅で一休みして五色沼方面に向かったが、沼に寄るのはやめて中津川渓谷と道標のある地点を目指した。中津川渓谷というのは
関東でも良く聞く地名だがと思いつつ、車を降りて15分くらい歩いて渓谷に立ち寄った。秋の紅葉の季節には良いところだが、夏の真っ
盛りでは何の変哲もない川に見えた。しかし川の両脇には奇岩が並び、まあまあであった。

中津川渓谷から土湯峠を越えて、やっと今夜の宿の土湯温泉山水荘に到着した。山水荘は土湯温泉街の一番奥にあり、大変大きな
純和風の旅館た。さっそく風呂に入り、その後食事を楽しんでゆっくり寝た。


二日目

朝早くおきてまず温泉に浸かり、朝ご飯をいっぱい食べて、8時に車に乗り込んだ。天気はまずまずである。土湯温泉から浄土平を目
指して車は走る。周囲の山々も緑鮮やかだ。30分ほどで今日のスタート地点の浄土平に着き、車を駐車場に入れた。5年前に来た時
には駐車場が満員になるほど人がいたのに、今日はガラガラだ。やはり東日本大震災の影響かもしれない。

まず最初に一切経山を目掛け高度を徐々に上げる。最初後方に高く見えた吾妻小富士がだんだん低くなってゆく。一切経山の南斜面
の噴火口から湯気が立ち上り、硫黄の匂いがする。この辺は危険なので登山ルート以外立ち入り禁止となっている。

1時間半くらいで1,948Mの一切経山の山頂に到達した。山の反対側に神秘的な色をした五色沼が見える。やはり山に来て良かったと
思う。



  一切経山頂にて



山頂で小休止したあと、一切経山を後にし酸が平まで下る。この辺りは東北特有ののんびりした良いところだ。草原が広がり,池塘なども
点在し、この世の極楽みたな風景である。

 酸が平で休憩



暫く行くと鎌沼の畔に着いた。ここも美しい所だ。昼食にしようかどうしようか議論したが、まだ早いということで今日の最終目的地である東
吾妻山にもう少し近づくことにした。東吾妻山は標高1,974Mで一切経山より50Mほど高い。鎌沼から少し上がって樹林帯に入る前に、平ら
でベンチの有る所があったので、朝出掛けにコンビニで買ったお握りを食べる。食べたのは11時30分頃だったが、お腹が空いていたの
で美味しい。

昼食を早々に済ませ、風の通らない灌木の下の道を汗を掻きながらひたすら登る。酸が平から1時間ほどで東吾妻山の山頂に着いた。山
頂には誰も人がいない。少し休んでいたが雲行きが怪しくなり、陽が差しているのに雨が降り出した。ゴロゴロと雷の音も聞こえ、だんだん
暗くなってきた。これは大変と早々に山を下ることにした。

  東吾妻山頂と黒い雲



慌てて山を下りだしたが、雨もやや激しくなり雷も近づいて来た。尾根筋ではなく灌木の下にいるので多少安心とはいうものの気持ちが悪い。
急ぎに急いで1時間ちょっと景場平に着いた。やっと雷も遠のき、雨も止んだ。景場平も酸が平と同じように草原があり、池塘が点在し、大き
めの沼もある。小休止には持って来いだ。しばらく休み再度山を下って鳥子平に向かった。

景場平から鳥子平への下りはかなりの悪路で草臥れた。少々座骨神経痛も出るので、足がうまく運べない。そろそろ登山も駄目かなと思うが、
折角この山に備えて新しく靴を買ったので「もう少しこれからも登りたいな」などと考えている内に何とか鳥子平に到着した。ここからバスに乗っ
て車の置いてある浄土平まで帰ろうと思ったが、バスは出た後で当分来ない。

仕方なくさらに浄土平まで1時間ほど歩き、無事車にたどり着いた。そして浄土平らの売店で皆でソフトアイスクリームを食べ、山の成功を祝福
した。


三日目

前の日と同じように朝風呂に入り、バイキング料理を沢山食べて8時に宿を出た。今日は安達太良山を目指す。40分くらい車に乗り奥岳の湯に
着き、あだたらエクスプレスと言うゴンドラに乗り山頂駅まで登る。所要時間7分で900M登ってくれる。さすがに安達太良山には登山客が大勢い
る。前日の疲れは多少あるものの座骨神経痛も出ず、快適に登ってゆく。天気は晴れ時々曇りくらいで、雷雲は見当たらない。

尾根に出ると風も涼しく、良い気持ちである。早めに昼食のおにぎりを食べ、さらに山頂を目指す。結構高年者の登山客も多いので、二組くらい
追い抜いた。最近の元気会では珍しいことだ。

山頂付近は岩が積み重なって乳首のようになっている。リュックサックをその辺に置いて、最後の登りにかかる。1,699Mの山頂は比較的広く、周
りの山々が良く見渡せ二本松市や福島市も眼下だ。

  安達太良山頂を背後に



これで全日程を終わったと下りに掛る。途中で登ってくる団体とすれ違った。「24名いますので宜しく」と先頭の団体のリーダーに声を掛けられた。元気会
もそのような時があったなと思い出す。団体の前方にいる人から「後ろの方に美人がいますから!」と声が掛り、期待しながら24名とすれ違った。

山頂駅から再びゴンドラに乗り奥岳の湯に降り立った。早くもコスモスが咲いている。また車に乗って、日帰りの湯を探す。地元の人に町で一つしかない
「信号のある交差点の脇に日帰りの湯がある」と言われ、行ってみたらなるほどある。300円と安いが元は旅館だったらしく、お風呂も大きくてきれいだ。
体を洗って飛び込んだら、その熱いこと!何とか我慢して入ったが、少し動くと湯が噛みつく。早々に出たが気持ちは良かった。他の連中は入ったのか
どうか、怪しかった。

二本松市を通過して、智恵子の生家跡などを車で巡り、福島市に出て駅前でレンタカーを返した。その後軽くビールなど飲み、各自新幹線で帰京した。

後記

一昨年の黒姫山に続き今回も女性の参加が無かった。某君が「来なくたって現地で調達するから良いさ!」と豪語していたが、現実には全く女っ気なく三
日間を過した。お酒もそんなに飲むメンバーではなく、ましてカラオケなどとんでもないということで、夕食が終わると8時頃から寝る羽目になった。次回は
女性方の参加を切にお願いしたい。

行程  

  8月5日(日)
      東京−(東北新幹線)郡山(磐越西線)−喜多方=雄国沼=中津川渓谷=ホテル山水荘(泊)  

   8月6日(月)
      ホテル山水荘=浄土平・・・一切経山・・・東吾妻山・・・鳥子平・・・浄土平=ホテル山水荘(泊)

  8月7日(火)
      ホテル山水荘旅館=奥岳の湯>>>ゴンドラ山頂駅・・・安達太良山・・・ゴンドラ山頂駅>>>奥岳の湯=福島(東北新幹線)東京

        註)− は列車、=は 車、・・・は徒歩、>>>はロープウエー



参加  男性)小泉・森・伊藤・吉村